全経簿記上級は、日商簿記1級と同様、税理士の受験資格になります。
試験範囲も日商簿記1級とほぼ同じで、膨大な暗記と理解を必要とします。
間違いなく難関です。
そんな難しい試験に、偏差値40、低IQの凡人以下の人間が合格することができました。
ネットには、「500時間で受かる」などの情報が出回っていますが、実際には難しいのではないかと思います。
ネットの情報は結構あてにならないもんね。
そうだね。
私の場合、500時間なんてとうの昔に超えてるよ。
私は受験生時代、そのような情報を鵜呑みにして『効率重視の勉強方法』を実践していましたが、再現できませんでした。
本記事では、凡人以下の私が全経上級をどんな教材を使って、どのようなマインドで勉強をしてきたのかまとめました。
凡人には凡人の戦い方があります。
私のように「勉強が苦手」という方は、是非参考にされてください。
全経簿記上級合格時の私のスペック
日商簿記3級の受験回数5回
(1回目)69点/100点✖
(2回目)67点/100点✖
(3回目)68点/100点✖
(4回目)受験日を間違え失格✖
(5回目)97点/100点◎
※70点で合格
日商簿記2級の受験回数1回
(1回目)84点/100点◎
※70点で合格
日商簿記1級の受験回数3回
(1回目)28点/100点✖
(2回目)55点/100点✖
(3回目)68点/100点✖
※70点で合格
全経簿記上級の受験回数1回
(1回目)265点/400点✖
つまり、日商簿記1級と合わせて5回目の受験でした。
※日商簿記1級には未だ合格できてないので、次回も受験しようと考えています。
※次回の日商簿記1級で無事合格できました!
全経簿記上級取得までの総勉強時間
ネット上では、全経簿記上級の勉強時間『簿記2級取得者で500~700時間』とあります。
しかし、私の場合は簿記2級を取得してから、およそ2500時間はかかりました。
全経簿記上級は2回目で合格できたのですが、その間日商簿記1級の受験に3度失敗しています。
実質5回目でようやく合格できたということです。
そのくらい勉強してようやく受かれる試験なんだ…。
凡人以下の私ではこのくらいかけなきゃ受かりませんでした。
日商簿記1級のより簡単だけど、あまく見ていたら普通に落ちます!
使用教材:インプット
ネットスクール とおるテキスト4冊
インプット教材については最初の1年間くらいネットスクールのテキストを使っておりました。
勉強が苦手な方にも分かりやすく書かれており、初めにこの教材を選んでよかったと思っています。
TAC 合格テキスト6冊
とおるテキストで物足りなくなってきた頃に購入しました。
網羅的に説明されており、辞書のように使えます。
ただ、初めて勉強される方にとっては難しいかもしれません。
ある程度、簿記1級の内容を理解されている方にはお勧めです。
その他書籍 財務会計講義(桜井久勝著) 原価計算(岡本清著)など
これらの書籍は、伸び悩んでいた時に購入しました。
まずは会計処理の背景を体系的に学ぶことでき、購入してよかったと思います。
ただ、本当に時間がある方にのみお勧めします。
消化不良になる恐れがあるからです。
特に岡本先生の「原価計算」は1,000ページ以上あるので、読み終わるのに時間がかかります。
私自身すべて理解できておらず、今の会計処理に至るまでの歴史や本質をざっくり学んだという感じです。
TAC管理会計論テキスト
管理会計論をもっと深く知りたいと思いメルカリで追加購入しました。
もっと早くにこのテキストを読んでいたら、第165回の簿記1級原価計算の「NCFを金庫に入れていた場合のNPV」も答えれたのではないかと後悔しました。
使用教材:アウトプット
ネットスクール とおるトレーニング4冊
ネットスクールの問題集は1年目に使っていました。
簿記初心者でも取り組みやすく、解説も分かりやすいです。
ただ、2年目以降物足りなくなり、合格トレーニングに切り替えました。
TAC 合格トレーニング6冊
合格トレーニングはかなりお勧めします。
特に工原は、基礎的な問題から応用問題まで網羅的に載っているので、確実に実力がつきます。
ネットスクール 誰でも解ける過去問題集
私は、いきなり過去問を解くことに抵抗があったため、ネットスクールの『誰でも解ける過去問題集』を買いました。
日商簿記1級では、合格者が必ず解いてくるであろう『基礎的な問題』を確実に取ることが大切になってきます。
『確実に取るべき基礎的な問題』を、過去問を改題して掲載してあるため、初心者でもとっつきやすいです。
ネットスクール 講師が選んだ過去問題集
過去問には、ほとんどの受験生が解けないような難しい問題も存在します。
そこで、講師が選んだ良問が寄せ集められた過去問題集といったものです。
合格するために得点してほしい箇所と得点しなくてもよい箇所を明確にしているため、合格点の取り方がわかります。
TAC 合格するための過去問題集125回~165回
TACの過去問題集は14回分掲載しているのですが、ネットで古い過去問+14回分を追加購入しました。
14回分の過去問を完璧にしたと思っていても、もっと古い過去問を解くと案外解けませんでした。
古い過去問は、会計基準の改定のない工業簿記と原価計算を中心に解いていました。
TAC 出題パターンでマスター過去問題集(工原)
TACの昔販売していた過去問題集です。
メルカリかAmazonで購入したと思います。
工業簿記と原価計算は、過去問を遡れば遡るほど実力がつくので、購入してよかったです。
TAC 予想問題集あてる165回と167回
過去問題集より少し難しく感じますが、やり切れば確実に力が付きます。
過去問の類題がたくさん載っているので、過去問題集と比較しながら解いていくことをお勧めします。
TAC 網羅型予想問題集
網羅型問題集は、正直言って難しすぎます。
できるようになれば簿記の力はつきますが、消化不良になる恐れがあります。
時間に余裕があれば挑戦してみてください。
ネットスクール ズバリ的中予想模試165回と167回
予想問題集の中でも、一番本試験に近い難易度です。
私は、試験に落ちたとしても予想問題集は捨てずに使いまわしていました。
ネットスクール 全経簿記上級過去問189回~209回
私は、日商簿記1級の勉強の過程で、全経簿記上級も取得しました。
全経簿記上級の過去問はネットスクールがお勧めです。
TACの過去問より問題数が多く、過去9回分掲載されています。
私は過去9回分+α追加購入しましたが、9回分でも十分だと思います。
日商簿記1級とは出題傾向が若干違うため、それに慣れるという目的で解いてみてください。
TAC 管理会計論問題集
管理会計論問題集は、管理会計論をもっと深く勉強したいと思いメルカリで追加購入しました。
会計士の過去問(多分確実に取らないといけないところ)が掲載されていて、より実力がついたと感じました。
スタディング簿財問題集と直前答練
税理士の簿財も受けようと思いスタディングに申し込みました。
帳簿と外部公表の財務諸表の違いや、特殊商品売買についての深い理解ができました。
資料の前TBに至るまでにどのような仕訳が切られてきたのかを考えれるようになったことが大きな収穫です。
※結局、簿財は受験はしませんでした。
簿記は問題を解けば解くほど力がついてきます!
合格回の点数内訳
私の受けた213回の合格率は13.1%でした。
点数の内訳は、
商業簿記:72点
会計学:71点
工業簿記:47点
原価計算:97点
合計:287点
商業簿記・会計学:72点・71点
商業簿記は、部分点が取りやすく、難しい問題が出ても、簡単な問題を拾うことができればある程度点を稼ぐことができます。
今回の商業簿記は、収益認識の問題が難しく感じましたが、それ以外、飛び切り難しいものはなく、平均的な問題だったと感じました。
また、会計学の正誤問題は、過去問で対策すればある程度点を稼ぐことができるので、高得点を狙いやすいです。
理想的には8割くらいは取っておいた方がいいと思います。
今回の会計学では、「時価の算定に関する会計基準」の理論問題がまったく解けなかったのですが、それ以外はそこまで難しいものはありませんでした。
工業簿記・原価計算:47点・97点
工業簿記と原価計算は部分点が取りにくく、最初の問題を間違えると芋づる式に後の問題も間違えてしまうという特徴があります。
全経簿記上級は、大問が3つくらいに分けられているので、日商簿記1級と比べると、足切りになる可能性は少ないですが、それでも一問ミスをするのは痛いです。
恐ろしい科目だね…。
私も「仕損の評価額」に関する資料を読み飛ばしてしまい、芋づる式に後の問題も間違えてしまいました。
もし芋づる式に大問を落としてしまった場合、他の科目で補わなくてはならなくなります。
工業簿記と原価計算は、見直しをきちんとしないと痛い目見ます。
全経簿記上級の合格のコツは過去問対策
全経簿記上級の合格のコツは、過去問対策です。
日商簿記1級の勉強をしっかりした上で、後は過去問で出題形式に慣れていきます。
慣れないうちは難しく感じるかと思いますが、慣れれば日商簿記1級よりも簡単に思えてくると思います。
特に会計学の正誤問題は、過去問対策だけである程度解けるようになるので、点数の稼ぎどころです。
商業簿記は、消費税が絡む場合があるので、少しめんどくさいのですが、慣れれば難しくはありません。
たくさん問題を解いて慣れていけば大丈夫!
試験を受けまくると実力は上がるので、毎回全力で受けよう
私は何度も受験したことで、簿記の実力がメキメキついていったことを実感しています。
ただ、自分の受けた回の問題を解きなおすことが大事で、時直しを疎かにすると一向に実力は伸びません。
試験経験豊富な人達は、緊張感ある状態でもミスすることなくスピーディーに問題を解くことができますが、これは、論点の理解がしっかりできていることはもちろんのこと、本試験のような緊張感の中で問題を解くことに慣れているからです。
次につなげるために、試験は毎回、最後まで全力で問題を解いてください。
日商簿記1級の受験生は、全経簿記上級を絶対受けた方がいい
全経簿記上級は、日商簿記1級の腕試しとして使えるので、絶対に受けた方がいいと思います。
理論を多少詰め込んだり、試験形式になれないといけないので、一見遠回りに感じます。
しかし、モチベーションの維持や、いろんな角度からの問題に触れることで思考力が付いた実感があるので、案外近道になっていた気がします。
全経簿記上級に合格できるレベルの人は、日商簿記1級の合格も遠くはありません。
是非、全経簿記上級合格を足掛かりに、日商簿記1級合格をされてください。
あなたの全経簿記上級、日商簿記1級の合格を心より応援しております。
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